蜂の子とプロポリスの違い

蜂の子とプロポリスの違い

蜂の子は蜂の幼虫やサナギのことです。
ミツバチを始めとしたスズメバチ、クロスズメバチ、アシナガバチなど様々な蜂の幼虫やサナギすべてを「蜂の子」と呼びます。
ローヤルゼリーやはちみつなどは女王蜂や働き蜂といったメス蜂によって作られますが、蜂の子はオスの蜂です。
蜂の子はローヤルゼリーやはちみつほどポピュラーではありませんが、その歴史は古く、海外ではタイやメキシコ、中国など多くの国でタンパク源として食されてきました。
日本でも、長野県や愛知県などの山間部の一部地域で現在も食されています。

一方のプロポリスは、ミツバチが様々な樹木から集めてきた樹脂を唾液と一緒に噛み、ワックス状にした物質です。
本来プロポリスはミツバチが巣の入り口や巣の通り道に塗ることで、外敵の進入を防いだり、巣の温度を一定に保ったりする役割を持っています。
プロポリスが持つ殺菌力と抗菌力に着目し、プロポリスの塊から成分を抽出して、食用として加工されています。

蜂の子とプロポリスの効能の違い

蜂の子に期待される効能

蜂の子は豊富なタンパク質が含まれているだけでなく、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラル、脂肪酸などが一つに凝縮されています。
では、蜂の子にはどんな効能が期待できるのでしょうか?

耳鳴り、難聴の回復

人は心身にストレスを受けると「コルチゾール」という血中ホルモンが分泌されます。
耳鳴りや難聴に悩まされている人は、このコルチゾール値が健康な人よりも高いことから、コルチゾールが耳鳴りや難聴と関係しているのではないかと考えられています。
蜂の子が耳鳴りや難聴の回復に期待されている理由は、蜂の子を継続して摂ることでコルチゾール値が下がることが判ったからです。
実際に、聴力に不安を持つ人に蜂の子を継続して摂取させたところ、血中コルチゾール値が下がり、耳鳴りが改善したという研究結果もあります。

アンチエイジング

アンチエイジングに欠かせない物質が成長ホルモンです。
成長ホルモンは人が寝ている間に心身の疲労を回復してくれるありがたいホルモンなのですが、成長ホルモンは20代をピークに体内合成量が減っていきます。
成長ホルモンは筋肉量を増やしたり、体脂肪を減らしたり、骨を丈夫にしたり、コレステロール値を調整したり、肌のハリや弾力性を維持したり、傷の治りを早めたりと、健康や美容にとって重要な役割をいくつも担っていますので、成長ホルモンの合成量が減るとあらゆる部位で不調を引き起こします。
年齢を重ねても健康で美しくいるためは、成長ホルモンの合成を促す食べ物を積極的に摂る必要があります。
蜂の子には、アルギニンやリジンといった成長ホルモンの合成を促すアミノ酸が含まれているだけでなく、ビタミンやミネラルなど、様々な代謝活動を助ける栄養素も豊富に含まれていますのでアンチエイジングにはぴったりです。

肌荒れ予防・改善

健康な肌をつくるためには栄養バランスの良い食事が大切なのですが、特に肌の健康に欠かせない栄養がビタミンB群です。
中でもビタミンB2は「美肌ビタミン」とも呼ばれており、皮膚をつくるために重要なビタミンです。
ビタミンB2は肌荒れを予防する働きもありますので、脂っこい料理が好きな方や食生活が不規則な方はビタミンB2を積極的に摂らなければなりません。
蜂の子には、ビタミンB群だけでなく、コラーゲンの生成に必要なビタミンCも含まれていますので、健康で美しい肌をつくります。

白髪予防・改善

髪の材料となるのはタンパク質です。
タンパク質はチロシンという髪のメラニン色素の原料にもなりますので、タンパク質が不足すると髪の毛を黒くする色素ができません。
蜂の子には良質なタンパク質が含まれているだけでなく、細胞に酸素を運ぶ鉄やメラニン色素の生成に大切な銅、細胞分裂に欠かせない亜鉛、色素細胞の活性化に関わっているカルシウムも含まれていますので、白髪の予防・改善に効果的です。

動脈硬化の予防

血中にLDLコレステロールや中性脂肪が増えると過酸化脂質が生まれます。
過酸化脂質は血管壁に付着して、血管を詰まらせる原因になります。
これが悪化すると動脈硬化になります。
動脈硬化症が進行すると心臓への負担が大きくなるため、高血圧、心不全、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などを引き起こすリスクを高めます。
蜂の子に含まれるビタミンの一種「コリン」は、血液循環を良くしてコレステロールや中性脂肪の付着を防ぐアセチルコリンやレシチンを生成します。
動脈硬化を予防し、進行を防ぐことで、生活習慣病を予防します。

プロポリスに期待される効能

プロポリスは非常に多くの成分を含んでいます。
細胞を健康にするアルテピリンCを始めとした、アミノ酸、ミネラル類、ビタミンB1、B2、ビタミンEなど多くの栄養素が含まれていますが、中でも注目されているのがポリフェノールの一種である「フラボノイド」です。
プロポリスに含まれる40種類ものフラボノイドがプロポリスが持つ効能の秘訣なのです。
では、プロポリスにはどんな効能が期待できるのでしょうか?

風邪・インフルエンザ予防

プロポリスはもともと、ハチが細菌やウイルスなどの外敵から巣を守るために作られたものですので、プロポリスが持つ殺菌作用と抗菌作用は風邪菌やインフルエンザウイルスにも対抗します。
日常的にプロポリスを摂って抗菌力を高めることは免疫力の向上にも繋がります。

花粉症、アトピーの緩和

プロポリスには抗炎症作用を持つ「ケルセチン」が含まれていますので、花粉症の症状である鼻水や喉の痛みなどの症状も和らげます。
また、アトピーの改善には免疫力を高めることが重要です。
プロポリスを継続的に摂って免疫力を高めることで、バリア機能を正常化へと導き、アトピーを改善へと促します。

歯周病・口内炎の予防

プロポリスには高い殺菌、抗菌作用がありますので、歯肉炎、歯周病の原因であるプラークの増殖を防ぎます。
また、プロポリスには抗炎症作用もありますので、口内の粘膜に付着した細菌やウイルス、ほこりなどによって起きた口内炎にも効果的です。
口内環境の改善のためにプロポリスを摂る場合は、プロポリスの歯磨き剤やうがい薬などがおすすめです。

胃腸障害の予防・緩和

プロポリスはピロリ菌の除去効果が期待されています。
ピロリ菌は正式名称を「ヘリコバクター・ピロリ」といい、胃の中に住み着いて胃壁を傷つけます。
ピロリ菌が住んでいるからといってすぐに病気に繋がる訳ではありませんが、胃炎や逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの病気に発展する恐れもありますので健康に不安のある方は除去することが大切です。
プロポリスには強い抗菌作用を持つフラボノイドが含まれていますので、継続して摂ることでピロリ菌の増殖を抑えて、除去します。

美肌作用

プロポリスにはビタミンB2、ビタミンEを始めとしたビタミン類、ミネラル、カルシウムなど、美肌には欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
とくにビタミンB2は肌のターンオーバーを促して健康な肌を維持します。
またプロポリスには、強力な抗酸化作用を持つフラボノイドが豊富に含まれていますので、活性酸素の増加によるシワ、シミ、たるみなどの肌トラブルを予防します。

蜂の子は総合的に身体を健康へと導く働きがある一方で、プロポリスは体の免疫を高めて菌やウイルスに対抗する優れた働きを持っています。
蜂の子とプロポリス、それぞれの特徴を踏まえた上で、自分の生活の質を高める健康食品を選びましょう。

(参考URL)
蜂の子とプロポリスの違いは?成分と効果を比較
http://www.turkey-now.org/kiji27.html